日本地理学会発表要旨集
2018年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P202
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発表要旨
巨摩山地・甘利山山塊における更新世後期以降の地すべり地の形成史
*小塚 朋子苅谷 愛彦
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抄録
甲府盆地西方の甘利山山塊(甘利山,千頭星山)に発達する地すべり地形と重力性線状凹地の分布及び形成年代を調査した.地すべり地は活断層に面した東向き斜面に多い.線状凹地は高標高域に多い.桐沢地区の大規模地すべりは約100 ka以前に滑動し,閉塞性の湖沼を形成した.しかし湖沼は100 kaころから埋積され,消滅した.堅沢地区の大規模地すべり移動体や甘利山山頂南方の線状凹地は完新世中期の土層に埋積される.御庵沢地区の地すべりも完新世前期に滑動して堰き止め湖を作りだした.甘利山山塊では更新世後期から完新世にかけて各地で地すべりが生じ,山地の景観形成に重要な鍵となってきた.
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