抄録
2018年告示の新学習指導要領によって必履修科目として新たに設置される「地理総合」て゛は,「ESD・国際理解」・「防災・地域調査」と並んて゛「地図・GIS」か゛学習の柱となった。そこて゛本報告は「地図・GIS」に焦点を当て,学校現場て゛高校地理の授業実践を続けている立場からの視点て゛,いかにGISを導入した授業を即座に取り入れるかを検討するものて゛ある。高校て゛の授業にGISを導入することに関しては,取り入 れる際にインターネットやコンヒ゜ュータといったICT環境整備の点て゛様々な障壁か゛これまて゛に数多く指摘されてきた (谷・斎藤,2019なと゛)。そして,学校て゛のICT環境整備の障壁を克服することは自治体こ゛とに大きく事情か゛異なっており,GISソフトを活用した授業の実施か゛2022年から全国て゛一斉に,確実に実施て゛きるとは言い難い状況にある。 そこて゛本報告て゛は,GIS導入の前に必要となる様々な学校て゛のICT環境整備か゛行われないままの状態て゛,GISを理解することと,GISを生徒自らか゛活用て゛きる授業か゛展開て゛きるかを検討するため,2つの授業を実践した。高校地理て゛いかにGISを扱うか。この議論は,2011年に日本学術会議から「地理基礎」開設か゛提言された当時既に行われていた。当初は,GISか゛何かを学ふ゛のか,GISて゛何 かを学ふ゛のかといった議論か゛基本て゛あったか゛,「地理総合」の開設か゛決定してからは,GISをいかに活用するかに議論か゛集中しているように感し゛られる。その一方て゛,上述のよ うに谷・斎藤(2019)によって環境整備の観点から授業への GISの導入か゛依然として途上段階にあることか゛明確になった。このことからも,環境整備を急か゛なけれは゛ならないことと同時に,応急処置的取り組みとしてアナロク゛環境て゛いかにGISを活用した授業を実施するかの検討か゛必要て゛ある。 本発表て゛は,その検討を始める1つのきっかけとして話題を提供する。