2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17178
消波工の水理機能評価のため,抵抗則を数値計算により検討した.まず基本的な水理機能として,反射率と波高伝達率を規則波実験で測定した.消波工は角材を規則的に配置した矩形断面とした.数値計算では数値波動水路CADMAS-SURFを使用し,抵抗則の一つであるDupuit-Forchheimer則(DF則)の線形・非線形抵抗材料係数α0とβ0を,実験値の再現性が高くなるように定めた.消波工の角材を構造物として設定し,角材間の間隙を格子で区切った計算も行った.
DF則を用いた計算,角材を構造物とした計算ともに,反射率と波高伝達率の実験値を概ね良好に再現した.α0が反射率と波高伝達率に及ぼす影響は小さく,β0の影響は大きかった.これは消波工の抵抗が流速の2乗に比例する抗力に支配的であることを示している.