日本地理学会発表要旨集
2019年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 812
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発表要旨
富山県高岡銅器産地における高付加価値戦略と産地維持
*勝又 悠太朗
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抄録

本報告では,富山県高岡銅器産地を事例に,産地企業の高付加価値戦略の動向を明らかにし,それが産地維持に果たす役割を検討していく。当地域では,2000年代以降,製品の高付加価値戦略を図り,新たな展望を見出す企業群が登場してきている。企業の採る戦略には,大きく2つの方向性が認められる。1つ目は,既存製品のデザイン性を高め,消費者需要の変化にマッチさせようとするものである。2つ目は,鋳物技術をもとに新製品を開発し,新たな市場を創造しようとするものである。特に,企業は,インテリア雑貨やエクステリア製品の生産に活路を見出す傾向にある。また,こうした企業戦略の展開には,産地内の公的機関が重要な役割を果たしていた。加えて,企業による高付加価値戦略の推進により,産地の生産流通構造にも変化が生じてきている。

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© 2019 公益社団法人 日本地理学会
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