日本地理学会発表要旨集
2020年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: S604
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発表要旨
生活文化の多様性からみた東南アジア・オセアニアの地理授業
*永田 成文
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抄録

地理総合では,持続可能な社会づくりを目指して,地図や地理情報システム(GIS)を活用し,地理的な見方・考え方を働かせて,国際理解や国際協力の在り方,防災などの諸課題への対応を考察・構想するようなESDとしての地理授業を実践することが求められている。地理総合における国際理解の学習では,場所や人間と自然環境との相互依存関係の視点から生活文化の多様性や変容の要因などを考察し,自他の文化を尊重することの大切さを理解することが目標となっている。

 地理総合において生活文化の事例として東南アジアとオセアニアを取り上げる場合,言語や宗教などの文化的要素から地域のまとまりを示した文化圏として捉え,比較地誌学習の手法を活用して,それぞれの多様性とともに,類似性や対照性に着目していくことが考えられる。地理ESD授業として,平和な社会を持続的に構築していくという学習者の行動の変革を促すために,地理的見方や考え方から東南アジア・オセアニアの人々の生活文化の多様性を理解し,共通性と異質性に着目して異文化の尊重や多文化共生に向けた態度を育成することが目指される。大枠の授業構成として,二つの文化圏の生活文化の違いを捉え,その要因を自然・社会環境から思考し,異文化に対する対応を判断していくことになる。

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© 2020 公益社団法人 日本地理学会
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