日本地理学会発表要旨集
2020年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 218
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発表要旨
クリエイティブな勤労意識と日本庭園来訪実績等の相関
*森 泰規
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抄録

クリエイティビティと日本庭園来訪実績に相関はあるか

筆者はクリエイティビティ(クリエイティブな勤労意識)と業績(当事者の業務評価実感)の相関を明らかにした(2019年日本マーケティング学会報告)。クリエイティビティと日本における代表的な庭園の来訪実績・名称認知にもその種の傾向が見受けられるだろうか。

 

相関あり:「桂離宮型」VS「栗林公園型」

クリエイティビティと日本庭園への来訪実績・名称認知とをクロス表集計し、カイ二乗検定を行ったところ結果は以下の表のとおり、統計的に有意な相関が認められた。ただ、栗林公園ように、一部の項目で相関が弱く、居住地の方が説明力を持つ場合があった(栗林公園型)。一方、居住地があまり説明力を持たない庭園もあった(桂離宮型)。

 庭園により傾向は分かれるが、よりクリエイティブな勤労意識を持つ方の方が、より多く日本庭園への来訪実績・名称認知が高いことを、この調査では把握した。

*調査概要:2018年4月実施、日本全国のパネル登録者1000名(20−69歳 男女均等、インターネット)。「あなたが働きたいと思うのはどのような職場ですか」という問いに対し以下より2者択一の回答を4点スケールで求めた(4:A、3:ややA、2:ややB、1:B)結果を指す。いずれもAの方がクリエイティブであるという前提に立つ。。

i) 「A 自分の裁量でやり方を決められる/B 手順に沿った業務運用(SA)」【裁量重視VS手順重視】 

ii)「A社内での人間関係から自分にとって関心のある有益な情報が得られる/B社内の同僚から得られる情報には新鮮さがなく、新しい発見は社外の方からもたらされる(SA)」【社会関係資本評価VS評価せず】

iii)「Aユニークと言われる人が活動をオープンにできる職場/B社員の私的活動に干渉しない、あるいは私的活動を社内で公開することがよしとされていない職場(SA)」【私生活公開VS公開禁忌】。

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