日本地理学会発表要旨集
2020年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 736
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発表要旨
自治体の持続可能な開発目標への取り組みと地域の魅力に関する計量的分析
*寺田 好秀
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抄録

自治体の持続可能な開発目標(SDGs)への関心の高まりとともに,SDGsによる地域ブランディングを考える重要性が増加している。本稿の目的は,自治体のSDGsへの取り組みと地域の魅力の関係を分析し,自治体がSDGsへの取り組みで地域の魅力を向上させられる可能性を見出すことである。生産関数を仮定し,被説明変数に(株)ブランド総合研究所の『地域ブランド調査2019』の地域の魅力度を採用し,自治体がSDGsに積極的に取り組んでいることを特定化するためにSDGs未来都市ダミーと自治体SDGsモデル事業ダミーを説明変数として,最小二乗法(OLS)による推計を行った。その結果,SDGs未来都市であることを示すダミー変数が有意に正の値を取ったことから,自治体がSDGsの達成に向けて積極的に取り組み,SDGs未来都市に選定されるような地域の魅力度は高いと結論付ける。これは,自治体のSDGsによるブランディングの可能性を示唆し,また,自治体にSDGsの達成に向けた積極的な取り組みやSDGs未来都市への応募を行うインセンティブを提供するものである。

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© 2020 公益社団法人 日本地理学会
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