日本地理学会発表要旨集
2021年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: S301
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発表要旨
世界地誌学習の新たな方向性
-アメリカ地誌から多文化共生社会めざす地理教育―
*田部 俊充
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抄録

本発表はシンポジウム「世界地誌学習の新たな方向性—アメリカ地誌から多文化共生社会を考える—」の企画趣旨である。2021年度日本地理学会春季学術大会公開シンポジウム(第39回日本地理学会地理教育公開講座)として,オンラインで開催するものである。2022年4月から高校「地理総合」が導入されるが,コロナ渦で日本の児童・生徒の世界への関心が急速に萎むなか,魅力的な世界地誌学習が必要であり,その内容の検討や指導法の開発が急務である。米国大統領選挙が終わったが,現職の大統領が連邦議会への乱入を煽動するなど政治の分極化が進み民主主義の根幹が揺らいでいる。米中新冷戦時代のアメリカ世界地誌学習の今後と多文化共生社会をどう扱うか検討したい。企画者は,2019年7月に東京都の公立中学校第2学年を対象に,中学校社会科地理的分野におけるアメリカ地誌学習から「多文化共生社会をめざす地理教育」を試行した。「アメリカ州」の学習の発展として特設2日間を設定した。アメリカ合衆国が移民国家であることやその歴史に着目させながら,身近な地域である中野区の多文化共生社会について考えさせた。

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