令和2年7月豪雨では,甚大な被害となった.被害は球磨川沿いの人吉市~八代市に集中したが,被害程度には差が生じた.その差の原因を検討するために,洪水時の流速を求めた.流速の測定方法は様々あるが,ステレオペア写真の移動する観察対象が持つ視差のカメロン効果を利用する方法もある.そこでは空中写真の撮影条件は,直線的な河川に沿う一定の時間間隔が求められる.しかし令和2年7月豪雨での球磨川流域に対する国土地理院の空中写真は,蛇行する球磨川に対し不規則な飛行コースで斜め撮影され,撮影間隔もさほど均一ではなかった.発表では,斜め空中写真を活用し漂流物から流速に加え流向も推定し,被害と洪水流の関連を考察した既報告内容を紹介する.