日本地理学会発表要旨集
2022年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P015
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2018年胆振東部地震で影響を受けた似湾川西岸域における岩盤地すべりの現地調査
*佐藤 浩金子 誠石丸 聡宇佐見 星弥中埜 貴元
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抄録

中村ほか(2020)は,2018年北海道胆振東部地震の被災域において岩盤地すべりの分布図を明らかにした。これをもとに,震央から北東に約2.5 km離れている似湾川西岸の東向き斜面で岩盤地すべりを観察した。斜面方位と高橋・和田(1987)が明らかにした背斜軸の位置関係から,現地は受け盤である。しかし,現地で基盤岩の硬質頁岩の層理面の走向・傾斜を計測したところ,流れ盤であり,少なくとも受け盤ではないことが分った。その他,滑落崖や移動体内部の露頭を観察した。硬質頁岩の上にのるTa-dやTa-c,Ta-bのテフラ層が,地すべり性の変動を受けて生じた硬質頁岩の亀裂に落ち込むような構造は観察されず,Ta-d降下以降の岩盤地すべりの活動時期は特定できなかった。

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