日本地理学会発表要旨集
2022年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 501
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秋芳洞内の小気候による観光客への健康影響と今後の管理方法
*安藤 奏音
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抄録

洞窟内の二酸化炭素濃度が高まると,鍾乳石の再溶食や人体への健康被害が懸念される。このため,観光洞の開発と管理の国際的推奨ガイドライン(以下,国際ガイドラインと表記する)では,洞窟内の大気観測を推奨している(International Show Cave Association et al., 2014)。山口県にある秋芳洞は,世界で最も多くの人が訪れる洞窟の一つであり,ラムサール条約の湿地,特別天然記念物,日本ジオパークに指定されている。しかし,洞窟内の大気環境と,その大気環境が観光客に与える身体的・心理的影響について調査した研究はほとんどない。観光客の観光中の健康状態に関する議論も不十分である。そこで,本研究では,秋芳洞の小気象の実態を明らかにし,微気象が観光客の身体的・心理的状況に与える影響を把握することを目的として,大気観測調査を実施した。また,今後の管理方法改善への資料を得るため,大気観測調査結果をもとにした知識質問を含む質問紙調査を管理者を対象に実施した。

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