東京都区部における高齢者人口集中地区の分布

抄録

本研究では，平成27年国勢調査8分の1地域メッシュ統計（以下、125mメッシュ）を使用し，2015年の東京都区部において高齢化率が50％を超える地区および2020年と2025年に同割合が50％を超えることが予測される地区を抽出し，分布とその特徴を明らかにすることを目的とした。

分析にあたっては，メッシュ内における総人口に対して65歳以上人口が50％を超えたものを「高齢者人口集中地区」とした。さらに，コーホート変化率法から，2020年および2025年の125mメッシュ人口を推計し，同メッシュの総人口に対して65歳以上人口が50％を超えたものを抽出し，それらを「将来的高齢者人口集中地区」とした。

分析の結果，高齢者人口集中地区および将来的高齢者人口集中地区は，2015年は541（541メッシュ/31,855メッシュ＝1.7％），2020年は704（2.2％），2025年には930（2.9％）と年次を追うごとに増加傾向にあり，2025年には2015年の約1.7倍まで増加する。さらに，2015年と2020年の同地区では公営の共同住宅が卓越していたが，2025年には，住商混合地域や民営の共同住宅がみられるようになった。