日本地理学会発表要旨集
2024年日本地理学会春季学術大会
セッションID: 802
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時系列衛星画像と機械学習を用いた釧路湿原の植生変化
*棚橋 廉中山 大地松山 洋
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抄録

北海道東部の釧路湿原は,1947年から1996年までの49年間でヨシやスゲといった湿原性植生の面積が20%減少し,湿原の乾燥化や植生の変化が進んでいたことが指摘されている.しかし,そのような変化を観測する広域的な植生調査は2013年以降行われておらず,近年の湿原面積や植生の分布については明らかになっていない.そこで,本研究は時系列衛星画像と機械学習を用いて2004年,2011年,2022年の植生分類図を作成し,近年の湿原面積と植生の分布について明らかにした.釧路湿原の面積と植生の変化の割合について,2000年代以前の大規模な湿原面積の減少や植生変化といった現象は起きていなかった. 2000年代以前の湿原面積の減少や植生変化は,釧路湿原周辺における農地開発や河道改修といった人為的要因が大きいと指摘されていた.しかし,近年ではこれらの影響は小さくなり,2000年代以前のような変化は起きていないと推察した.

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