主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2024年日本地理学会春季学術大会
開催日: 2024/03/19 - 2024/03/21
GeoCapabilitiesの理念から、カリキュラム作成者である教師は、学問的知識を使って生徒を有意義に思考に関与させるという重要な任務を担っている。カリキュラムの文脈の中で、教師は学問的な知識を選択・使用し、生徒の予備知識(および日常的な知識)と関連付け、授業で応用する。これらはすべて、若者の能力に貢献することを目的としている。教育における地理学のケイパビリティの視点は、若者の「『世界の知識』、世界の人々や場所に対する関係性の理解、社会・経済・環境の未来について考える傾向や性質」に貢献できる教科であることを想起させる。学問的知識と学校での知識の関係については多くのことが書かれてきたが、最近では、学校での知識と若者の日常的な知識の関係についても書かれるようになってきている。GeoCapabilities 3プロジェクトでは、教師がカリキュラム作成においてこれらの異なるタイプの知識を活用できるよう、小規模な試みを行った。オランダの学校の教師たちは、移民の背景を持つ生徒が多い生徒たちの日常生活にこそ注意を払うよう動機づけられた。GeoCapabilitiesのアプローチを実際に適用する試みから、カリキュラム作成者としての教師とその専門的能力開発に関する、より一般的な見解で締めくくることは有益である。さらに発展させるべき分野の一つは、強力な学問的概念の選択と指導を、生徒がすでに持っている経験的知識とどのように組み合わせるかということである。これは、単に「教育学的な細かさ」(「生徒がいるところ」から始める)ではなく、PDKを使って教えることは解放的であるというGeoCapabilitiesの主張の核心に関わるカリキュラム作りの問題である。次のステップは、このようなカリキュラム作りを実証するために貢献できるような、具体的な実証的研究プロジェクトを特定し、組織化することであろう。