日本地理学会発表要旨集
2025年日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P016
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夏季の透水性舗装および芝地舗装における表面温度の日変化の特徴
*浜田 崇平野 勇二郎西廣 淳
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抄録

長野県では、都市部の熱中症リスク軽減のため、長野市若里公園の駐車場をアスファルトから透水性舗装(ブロック、コンクリート)と芝地舗装に変更し、その暑熱緩和効果を調査した。2024年8月7日から9月19日にかけて、各舗装面の表面温度と気象状況を観測した結果、以下のことが明らかとなった。晴天日中の表面温度はアスファルトが最も高く、次いで透水性舗装、芝地の順となった。夕立後は全ての舗装で温度が急激に下がり、舗装間の温度差は縮まった。夜間はアスファルトと透水性コンクリート舗装がほぼ同じ温度で、透水性ブロック舗装、芝地の順に低くなった。特に透水性ブロック舗装は夕方からの温度低下が大きいのが特徴である。曇天日中には, アスファルトと透水性舗装の温度差は小さいが、芝地舗装の温度は低かった。雨天時には、舗装間の表面温度にほとんど差は見られなかった。この研究により、グリーンインフラとしての透水性舗装や芝地舗装が、特に晴天日中の都市の暑熱緩和に効果があることが示唆された。

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