日本地理学会発表要旨集
2025年日本地理学会春季学術大会
セッションID: S201
会議情報

企画趣旨:次期改訂に向けての小中高地誌学習の新たな方向性
GIS・フィールドワーク・エージェンシー
*田部 俊充
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本シンポジウムは日本地理教育学会と共催で,第47回日本地理学会地理教育公開講座として「次期改訂に向けての小中高地誌学習の新たな方向性―GIS・フィールドワーク・エージェンシー―」というテーマで開催する.今回も日本地理教育学会小中高一貫地理教育カリキュラム研究会(2024年度~2025年度 吉田剛代表)の成果も加えて議論を深めたい.「系統学習」「地誌学習」は地理教育の両輪であるが,最近の「コンテンツベースからコンピテンシーベース」の議論のなかで,従来の日本の地誌学習はコンテンツととらえられ軽視されていると感じる.「コンテンツベース(地誌)とコンピテンシーベース(地理的見方・考え方)」は対立概念ではなく,工夫によりどちらの育成も必要である.地誌学習について学会において繰り返し論じられてきた論点は,①小学校社会科において,地理学習,とりわけ地誌学習が十分には位置づけられていないために,実質的には中学校から地誌学習が開始されている点,②グローバル化する社会において,より早期から世界地誌学習を位置づけ,基礎世界像の形成を充実させることが望まれる点,③「個別最適な学び」と「協働的な学び」などを志向した最近の中央教育審議会答申等の議論を踏まえる,とくに方法としてICTを活用する点,の3点である.

著者関連情報
© 2025 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top