抄録
症例の概要:患者は口腔底癌により舌全摘および下顎骨区域切除術,チタンプレートによる即時再建を施行した49歳の女性.顎骨再建部に対して顎義歯を作製した.
考察:下顎顎義歯装着後3年5カ月経過している.経過は良好であり,顎義歯装着によるリップサポートの回復により審美性ならびに構音機能が改善された.さらに,摂食機能が改善し患者の高い満足が得られた.顎義歯の経過と残存歯の口腔衛生指導が重要であることから頻回のリコールとメインテナンスが必要であると考えられる.
結論:舌全摘術後患者に対して装着された下顎顎義歯は,審美的,機能的改善と患者のQOL向上に有効であることが示唆された.