抄録
症例の概要:患者は60歳男性で,咀嚼障害を主訴に来院した.左右の下顎大臼歯欠損によるものと診断し,インプラントを用いた固定式補綴物による治療をおこなった.
考察:両側遊離端欠損の症例に対して,インプラントを用いた咬合再構成をおこない,十分に機能回復をすることが出来た.5年経過した現在において最終補綴物およびインプラントは良好である.
結論:術前の咬合診断および,プロビジョナルレストレーションから始まる補綴処置を通じて,咀嚼筋筋電図を記録することにより,咀嚼障害の改善を確認できたことから,補綴治療における機能評価を行うことの重要性が示唆された.