抄録
目的:本稿の目的は,顎関節症における各種治療法のうち口腔外科領域が主として担当する薬物療法,理学療法,および手術的治療法について治療成績を文献的に検証し,確証の得られている治療法および治療法の選択基準を明らかにすることである.
方法:2012年4月1日の時点における顎関節症ないしtemporomandibular disorders(TMD)の薬物療法,理学療法,および手術的治療法についてのランダム化比較試験(RCT),システマティック・レビュー(SR),コクランライブラリー・レビュー(コクラン・レビュー)およびメタアナリシス(Meta-A)を電子的にMedline,Cochrane Database of Systematic Reviews,医中誌から検索した.次いで抽出された論文の採用しているRCTを研究デザインの均質性と妥当性により再評価した.
結果:薬物療法,関節洗浄療法,関節鏡手術についてコクラン・レビューがあり,RCT,SR,Meta-Aともに薬物療法が最も多く,手術的治療法がそれに次いでいた.
結論:顎関節症に対する効果が認められたのは自己開口訓練,非ステロイド系鎮痛抗炎症薬の内服および針治療であった.今後,顎関節症における均質なRCTの蓄積が望まれる.