2017 年 9 巻 3 号 p. 199-204
部分欠損症に適用される可撤性支台装置については,これまで種々の観点から比較検討がなされてきた.臨床では,それぞれの装置の特性を踏まえ,患者の要望や補綴の目標などの条件,あるいは装置の支持機構,審美性や扱い易さ,技工面など,種々の要件から選定され,臨床応用がなされている.しかしながら,適用する欠損歯列の条件はさまざまであり,口腔内でその支台装置が有効に機能するには,それぞれの欠損歯列の状況を考慮する必要がある.加えて,患者要素においては,超高齢化社会における可撤性支台装置について,フォローアップやハイジーン面など,加齢や患者を取り巻く社会的要素を考慮した補綴のあり方をも含めて,再考する必要性が考えられる.