抄録
新型コロナ感染を契機に、個人情報の非常時における活用のあり方について活発な議論が開始されている。本稿は、新型コロナ感染という危機状況における個人情報の利活用とプライバシー保護のあり方について、「プライバシーの経済学」 という視点からどのような示唆が得られるか論述している。わが国ではプライバシーやセキュリティ保護のあり方については、専ら法制度的枠組み整備の観点から議論されることが多い。欧米では、経済学的視点から、データ保護に関する政策決定が利害関係者のトレードオフにどのような影響を与えるかが議論されている。本稿では、日本では馴染みのない「プライバシーの経済学」を紹介し、新型コロナのような危機状況におけるプライバシーの経済分析の有用性について論述する。