抄録
ERS-1/AMI散乱計で観測されたC一バンドの散乱断面積とECMWF客観解析データの風速,風向,表
面気温,海面水温のデータを用いて散乱断面積の水温依存性を調べた。入射角が大きく,風向に直交して
入射し,風速が中程度の時に,散乱断面種と海面水温が負の相関を持つことが示された。最小2乗法で求
めた回帰曲線の傾きは最大で-0.07dB/Cに達し,この散乱断面積の海面水温依存性が散乱計による風速
ベクトルの観測に対して無視できない影響を持つことが示唆された。入射角が小さいとき,および風上・
風下入射の場合には有意な相関は見られなかった。本論文で示された散乱断面種の海面水温依存性の物理
機構について,粘性係数の水温依存性との関連について考察を行った結果,本論文の結果は粘性係数の水
温依存性では説明できないことが示された。