海洋理工学会誌
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原著
3次元流体一生物結合モデルによる伊勢・三河湾の低次生態系シミュレーション
田口 浩一中田 喜三郎市川 哲也
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1999 年 5 巻 p. 49-

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抄録
3次元流体一生物結合モデルを伊勢・三河湾に適用して水質再現シミュレーションを行い,プランクト ン,栄養塩,溶存酸素ほか低次生態系要素の周年変化の特徴を調べた。計算は1993年4月~1996年3月 までの3年間で,この間の湾の流れ成分には前段の流動シミュレーションで再現された流速,水温・塩分 および鉛直渦拡散係数の時系列を入力し,日射や陸域からの流入汚濁負荷,底泥の栄養塩溶出・酸素消費 等の駆動因子に関しては,観測データに基づいて推定した日毎のデータを与えた。 このシミュレーションで再現されたプランクトン量や栄養塩濃度,溶存酸素量の時空間分布はフィール ドデータとよく整合し,モデルの妥当性が確かめられるとともに,湾内の栄養塩や酸素動態の詳しい解析 に役立つことがわかった。栄養塩フラックスの解析からは,湾奥部表層水中の1次生産が水温の変動に応 じて3ヶ年で大きく変動した様子や,植物プランクトン成長が主に窒素で律速された状況が示唆された。 また,酸素フラックスの解析からは,底層の貧酸素水塊の発生機構や消長が明らかになった。特に,気象 条件に応じて大きな変動を示した表層の水質項目とは対照に,底層の貧酸素水塊の挙動は一貫しており, 毎年6月頃から湾奥~湾央部で出現,晩夏に全湾規模へと発達し,その後次第に衰退して11月中旬あた りで消滅することがわかった。
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