自律神経
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シンポジウム9/分節性/半側性多汗症:臨床的特徴と病態
特発性分節性無汗症とharlequin症候群
中里 良彦
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2019 年 56 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

特発性分節性無汗症は,全身の末梢自律神経と後根神経節の障害によって分節性の無汗部位を示し,Adie症候群,Ross症候群などと同一スペクトラムを形成する病態である.一方,harlequin症候群は,発作性に生じる片側顔面の紅潮・発汗過多である.腫瘤などが原因の頸部交感神経障害による症候性harlequin症候群と,明らかな原因が同定されない特発性harlequin症候群に分けられる.Harlequin症候群には反対側顔面の分節性無汗を伴う症例が多く,分節性無汗症の一部分症状と捉える考え方もある.症候性harlequin症候群の原因は神経鞘腫,肺癌・乳癌,甲状腺腫瘍が多く,頭頸胸部画像検査を用いて積極的に器質的病変を検索する必要がある.

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© 2019 日本自律神経学会
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