自律神経
Online ISSN : 2434-7035
Print ISSN : 0288-9250
症例報告
喉頭痙攣を呈した多系統萎縮症例:その病態と喉頭喘鳴との関連性についての考察
朝比奈 正人内田 信彰濵口 毅藤田 充世平野 靖記中西 恵美堀 有行
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2023 年 60 巻 3 号 p. 138-142

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抄録

多系統萎縮症における声帯開大不全による閉塞性睡眠時無呼吸の存在はよく知られるが,喉頭痙攣は注目されていない.我々は喉頭痙攣による突然の呼吸不全を呈した多系統萎縮症例を報告し,その病態について考察する.症例は71歳男性.68歳時に歩行時ふらつきを自覚し,当科を受診した.小脳性運動失調と起立性低血圧を認め,脳MRIで小脳と脳幹の萎縮がみられ,多系統萎縮症と診断した.病状は緩徐に進行した.71歳時,日中に誘因なく突然呼吸困難となり,意識朦朧状態で救急搬送された.吸気時喉頭喘鳴と嗄声がみられ,胸部CTで左下肺野に陰影を認め,誤嚥性肺炎として抗生剤投与を開始した.覚醒時の喉頭鏡では声帯は傍正中位でほぼ固定していた.入院1週間後に喉頭喘鳴は消失し,その後,嗄声も消失した.喉頭痙攣で観察される声帯内転筋の攣縮は喉頭喘鳴でみられる所見と類似しており,共通の病態が推測される.

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© 2023 日本自律神経学会
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