自律神経
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第76回日本自律神経学会総会
体温調節の病態
―高体温,低体温―
犬飼 洋子
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2024 年 61 巻 2 号 p. 152-157

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抄録

体温調節の病態には高体温(症),低体温(症),変温症がある.高体温は,核心温が通常の調節範囲から上昇した場合で,熱産生が熱放散を上回っている状態である.自律性の対暑反応の低下や高温環境,視索前野の損傷による.とくに脳は高温により障害される.低体温は,核心温が35℃未満の場合をいい,熱産生よりも熱放散が上回っている.自律性の対寒反応の低下や,寒冷環境などによる.核心温が著明に下がると,対寒反応が消失する.変温症は,核心温が環境温の変化で2℃以上変化してしまう病態で,後視床下部または脳幹の障害により,著しい低体温となる.体温異常は生命に危険であり,徴候を見逃さず復温などの治療が必要である.

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© 2024 日本自律神経学会
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