2025 年 62 巻 1 号 p. 2-4
うつ病などの精神疾患の発症には様々な環境ストレス要因の関与が大きいことが知られているものの,これら神経精神症状表出に関与する分子機序や脳の機能的・構造的変化等については,いまだ十分に明らかにされていないのが現状である.我々は認知症に伴う行動心理学的症状(BPSD)の治療に対して臨床的に有効であることが知られている抑肝散および女性の更年期障害に対して処方される三大漢方薬のひとつであり,主にイライラなどの精神神経症状に有効である加味逍遥散の抗ストレス効果に関する作用機序の解明を実施し,それぞれの漢方薬の特異的応答経路を見出した.今後は有効成分の同定が必須であり,更なる詳細な解析が期待される.