2025 年 62 巻 2 号 p. 63-70
インターバル有酸素運動(IAE)が,自律神経機能に与える影響について検討した.若年健常者12名に,IAE,持続有酸素運動(CAE中強度),(CAE高強度)前後の脈拍変動(PRV)および運動後の主観的疲労感の確認を行った.PRVパラメータは,交感神経機能と副交感神経機能を反映するLnLF,副交感神経機能を反映するSDNN,RMSSD,LnHF,交感神経機能を反映するLF/HFを用いた.CAE中強度運動前後で,PRVパラメータの有意な変化はなかった.CAE高強度では,運動後にSDNN,RMSSD,LnTP,LnLF,LnHFが有意に低下した.IAEでは,運動後に,SDNN,LnTP,LnLF,LnHFが有意に低下した.CAE高強度は,CAE中強度およびIAEより,運動後の主観的疲労感が有意に高かった.IAEは,自律神経機能の調整を目的とした有酸素運動として有用な可能性がある.