自律神経
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第78回日本自律神経学会総会
パーキンソン病における消化器症状の病態生理と臨床的意義:自律神経・神経伝達物質・腸脳相関からの考察
武田 篤
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2026 年 63 巻 3 号 p. 75-78

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抄録

パーキンソン病(PD)は運動症状を中核とするが,近年はα-シヌクレイン病理が全身に及ぶ「全身病」として認識されている.特に便秘などの消化器症状は運動症状に先行して出現し,患者のQOLを著しく低下させる.本稿では,PDにおける消化器症状の病態生理を自律神経,神経伝達物質,腸脳相関の観点から概説する.Braak仮説が示すように,病理変化は腸管から迷走神経を介して中枢へ上行する可能性があり,排便中枢である脳幹の障害が早期の消化器症状を説明し得る.さらに,PDでは早期からアセチルコリン(ACh)系が障害され,これが末梢の副交感神経機能低下を招き消化器症状を引き起こす.我々の臨床試験では,コリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルが,認知機能に加え便秘等の非運動症状を安全に改善することが示された.今後の腸脳相関のメカニズム解明は,消化管を標的とした新たな疾患修飾療法の開発に繋がることが期待される.

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