The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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総説
腸内フローラと内科疾患
神谷 茂
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2017 年 70 巻 1 号 p. 1-13

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抄録

腸内には500種類以上100~1000兆の腸内菌が棲みつき腸内フローラ(細菌叢)を形成する。近年,16SリボソームRNA遺伝子解析法およびメタゲノム解析法の開発により,腸内フローラ研究が飛躍的に進歩した。Clostridium difficile感染症,炎症性腸疾患,過敏性腸症候群,大腸癌,肝疾患(肝硬変,非アルコール性脂肪性肝炎,肝癌),肥満,2型糖尿病,動脈硬化症,多発性硬化症など極めて多数の内科疾患と腸内フローラとの関連性についての新たな知見が報告されている。両者の関連性のみならず,疾病発症に腸内フローラがどのような役割を果たしているかの研究が今後期待される。

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© 2017 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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