腸内には500種類以上100~1000兆の腸内菌が棲みつき腸内フローラ(細菌叢)を形成する。近年,16SリボソームRNA遺伝子解析法およびメタゲノム解析法の開発により,腸内フローラ研究が飛躍的に進歩した。Clostridium difficile感染症,炎症性腸疾患,過敏性腸症候群,大腸癌,肝疾患(肝硬変,非アルコール性脂肪性肝炎,肝癌),肥満,2型糖尿病,動脈硬化症,多発性硬化症など極めて多数の内科疾患と腸内フローラとの関連性についての新たな知見が報告されている。両者の関連性のみならず,疾病発症に腸内フローラがどのような役割を果たしているかの研究が今後期待される。