The Journal of Antibiotics, Series B
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Phenoxyethyl penicillin (Syncillin) の血中濃度およびその臨床使用成績第1報
柴田 清人由良 二郎石崎 峯子大河内 正敏
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1960 年 13 巻 4 号 p. 187-189

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抄録
合成ペニシリンの研究は, 昔からおこなわれているが, 1957年SHEEHANがその完全な合成に成功し, その後も種々検討されて500種以上の合成物がある。これらの中から実験的にも臨床的にも最も効果のあるPhenoxyethylpenicillin (Syncillin) が見出されたのが1959年で, CHENEYおよびその協同研究者の仕事によるものである。
このものは6-Aminopenicillanic acidとα-Phenoxypropionic acidのN-acylationによつてできたものである。水に溶け易く, Penicillin V (Phenoxymethylpenicillin) と同様に酸に対して安定であり, 破壊され難い。また, 従来のPcnicillin G耐性株に対しても作用するといわれ, Penicillin Vよりも高い血中濃度を示す。我々は萬有製薬から提供されたこのPhenoxyethylpenicillin (Syncillin) について, 経口投与時の血中濃度, 胃粘膜からの吸収状況, 食餌摂取との関係等を家兎および臨床例について検討し, 更にその臨床使用成績についても検討したので報告する。
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