The Journal of Antibiotics, Series B
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13 巻, 4 号
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  • メタノール分解物の構造II
    田中 正生, 貴志 光雄, 丸田 芳樹
    1960 年 13 巻 4 号 p. 177-181
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Carzinophilinの分解物の構造に関して, 第1報に引続いて検討し, naphthalene-di-置換体であるmethoxynethyl naphthaleneの赤外部吸収スペクトルを既知のdi-methyl naphthaleneのスペクトルと比較検討すると共に, anisolとsuccinic anhydrideから1-methyl-7-methoxy naphthaleneを合成することによつて, CH3とOCH3の置換位置が1-および7-であることを確定した。COOHの位置については, diazo反応をhydroxy methyinaphthalenecarboxylic acidとhydroxy methyl naphthaleneについておこない, その生成物の相異によつて, 6-位であることを決定した。この結果によつて, Carzinophilinのメタノール性苛性ソーダによる分解にて生ずる芳香族化合物は, 第1報で推定したように, 1-methy1-7-methoxy naphthalene-6-carboxylic acidのmethyl esterであることが確定された。
    なお, Carzinophiinを塩酸水溶液, アンモニア水, エタノール性苛性ソーダによつて分解して生成する化合物の性質から, Carzinophilin分子中では1-methy1-7-methoxy naphthalene-6-carboxylic acidのCOOH基がなんらかの形で他の部分との結合に関係していることを推定した。
  • 1960 年 13 巻 4 号 p. 181-181,186
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 岩崎 志子, 小酒井 望
    1960 年 13 巻 4 号 p. 182-186
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生物質の出現によつて, 感染症の治療は著明な進歩をとげたが, 最近は, これらの抗生物質に対する耐性菌の問題が注目されるようになつて来た。なかでも, 病原ブドウ球菌 (ブ菌と略) は, 結核菌, 赤痢菌とともに耐性菌が出現し易い菌種であり, 耐性ブ菌による敗血症, および肺炎の報告も多くみられている1, 2) 。
    一方, これら耐性ブ菌は, 病院内において「病院ブドウ球菌」の名のもとに職員, 患者の鼻前庭, 咽頭に保菌され, これらがその蔓延の源泉となつていると考えられている。'
    私共は, 1957年から国立東京第1病院小児病棟患児の常在性病原ブ菌について, その抗生物質耐性と, ファージ型について検査をおこなつている。その結果については, すでに報告したが3), 1957年末からChloramphenicol (CP) 耐性株の出現をみとめ, 漸次増加しつつあることが知られた。今回は, そのCP耐性株の蔓延について, その侵入径路の追求をおこなつたので, その結果を報告する
  • 柴田 清人, 由良 二郎, 石崎 峯子, 大河内 正敏
    1960 年 13 巻 4 号 p. 187-189
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    合成ペニシリンの研究は, 昔からおこなわれているが, 1957年SHEEHANがその完全な合成に成功し, その後も種々検討されて500種以上の合成物がある。これらの中から実験的にも臨床的にも最も効果のあるPhenoxyethylpenicillin (Syncillin) が見出されたのが1959年で, CHENEYおよびその協同研究者の仕事によるものである。
    このものは6-Aminopenicillanic acidとα-Phenoxypropionic acidのN-acylationによつてできたものである。水に溶け易く, Penicillin V (Phenoxymethylpenicillin) と同様に酸に対して安定であり, 破壊され難い。また, 従来のPcnicillin G耐性株に対しても作用するといわれ, Penicillin Vよりも高い血中濃度を示す。我々は萬有製薬から提供されたこのPhenoxyethylpenicillin (Syncillin) について, 経口投与時の血中濃度, 胃粘膜からの吸収状況, 食餌摂取との関係等を家兎および臨床例について検討し, 更にその臨床使用成績についても検討したので報告する。
  • 上田 泰, 長谷川 勢, 矢崎 博通
    1960 年 13 巻 4 号 p. 190-192
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Pyrrolidinomethyl tetracycline (PRM-TCと略) の静注用製剤を用いて, 成人5例について血中濃度を測定し, 諸感染症5例に使用して下記のような成績を得たので, 報告する。
  • 西村 洋司
    1960 年 13 巻 4 号 p. 193-196
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    高い水溶性と, すぐれた耐薬性をもつPyrrolidinomethyl-tetracycline (以下PRM-TC) の供試品を得たので, その静注による血中濃度ならびに臨床応用知見について報告する。
  • 重松 俊, 鮫島 博
    1960 年 13 巻 4 号 p. 197-200
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近の医学は日を追つて新らしい抗生物質を生み出し, また在来の抗生物質を改良して, 耐性菌の問題, 交叉耐性の問題, 血中濃度上昇の問題等に対応しているが, いずれにしても抗生物質のうちTetracycline系薬剤の占める位置がきわめて大きいことは論を俟たない。しかし, 経口投与による血中濃度は, 最近のGlucosamine加Tetracycline (Cosa-Tetracyn) をこおいて従来のものより優れた成績を得, かなりの有効濃度を持続することが知られている.が, やはり一定の限度があつて, 急速に高い血中濃度を期待する場合とか経口投与不可能な症例に持続的に投与したい場合に, 非経口的投与, 特に静脈内への適用が許されるならば, 日常臨床上の利点はきわめて大きなことが容易に想像される。もちろん, 従来からこのような試みは各方面でおこなわれてはいたが, Tetracycline系薬剤は局所的ならびに全身的の耐薬性が悪いために, その作用が制限され, 使用に際しては溶剤を多量に要し, 多くの時間を費し, その上に注射局所の不快な障碍, たとえば血栓形成, 血管痛等を生じ, 全身的にも種々の障碍を来たして, 実際的にはあまり使用されない状態であつた。
    Pyrrolidinomethyl tetracycline (Hostacycline-PRM)(PRM-TC と略) は, Hoechst社によつて部分合成的方法によつて得られたTetracyclineの新らしい誘導体で, 高濃度の液を多量に静脈内に投与することができるという物理化学的特性をもつ。
    この度, 吾々の教室においても日本ヘキスト社から試供品の提供を受けたので, 種々の尿路感染症にこれを適用し, 若干の知見を得たので報告する。
    PRM-TCについて
    (1) PRM-TCは中性附近で水に対し1,250mg/mlの溶解度を示す。これはTetracycline hydrochlorideの約10倍の溶解度である。
    (2) 内服Tetracyclineの血中濃度は, 服用後2~3時間でピークを示すのに対して, PRM-TCは注射後直ちに高い血中濃度が得られ, 長時間持続する。また尿中排泄量は, 血中濃度の数十倍を示す。
    (3) 腸内排泄がきわめて少いため, 胃, 腸管に対する副作用は経口投与より遙かに少く, 生理的腸内菌に対する影響も少い。
    (4) Tetracycline感性菌のすべてがPRM-TCによつて発育が抑制され, Tetracycline hydrochlorideと同様のantibiotic spectrumをもつ。
    (5) 高い血中濃度が得られるため, 細菌の耐性限界が高い。
    以上のように, 従来のTetracyclineと較べると多くの利点をもつている。
  • 金沢 裕
    1960 年 13 巻 4 号 p. 201-206
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sensitivity disk (感性ディスク) を用いる細菌の化学療法剤感受性測定法は, 手技が比較的簡単なので, 数種の薬剤について検査する必要の多い今日では, 一般臨床検査として広くおこなわれるようになつた。
    私はさきに10, 11, 12, 13, 14, 15, 16), ディスクまたはTabletを使用する寒天平板拡散法の感性判定結果に及ぼす諸種の条件, すなわち寒天培地の組成, 厚さ, 培地のpH, 培養前放置時間, 放置温度, 培地中薬剤濃度分布, 薬剤の拡散性の差異, 培養中の薬剤の安定性, 培養時間による発育阻止濃度の相異などについて検討した。さらに, これらの条件を適当に規定し, 寒天平板拡散法の長所である測定値の連続性を利用して, Penicillin, Dihydrostreptomycin, Chloramphenicol, Chlortetracycline, Oxytetracycline, Tetracycline, Erythromycin, Colistin, Oleandomycin, Leucomycin, Kanamycin, Sulfisoxazole, Sulfisomidine, Sulfamethizole, Sulfamethoxypyridazine, に対する感受性の定量的測定法について報告した。
    このたびは, その後わが国で用いられるようになつた化学療法剤としてNovobiocin (NV), Fradiomycin (FM), Sulfadimethoxine (SDX), Sulfaphenazole (SPZ), Sulfisomezole (SIMZ) のディスク法による感受性測定法ならびに使用培地について, 多少の検討を加えたので報告する。
  • 芝木 秀俊, 加藤 康道, 北山 重弘, 買手 哲美, 島崎 日出基, 千葉 享, 富沢 磨須美, 中山 一朗, 斎藤 玲
    1960 年 13 巻 4 号 p. 207-211
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    テトラサイクリン (以下, Tcと略) が広範囲作用性抗生物質として広く用いられるようになつて既に6年を経過したが, 近年, 投与量を増加せずにTcの複合塩として, または或る種の薬剤の同時投与によつて, 比較的能率の悪いTcの胃腸管からの吸収をよりよくして血中濃度を上昇させようとする試み4, 11, 14, 16) が数多くなされ, いくつかのTc 複合塩およびTc混合剤が現在一般に使用されている。
    著者らは既に, これらTc製剤の2, 3について吸収および排泄の特徴とその臨床効果を検討19, 30) したが, 本実験ではTc単独と現在一般に用いられている3種類の混合剤およびTcの燐酸複合塩の5種類のTcカプセルの吸収および排泄を相互に比較してみた。
  • 柴田 清人, 由良 二郎, 石崎 峯子, 大河内 正敏
    1960 年 13 巻 4 号 p. 212-214
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1960 年 13 巻 4 号 p. 215-226
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1960 年 13 巻 4 号 p. 227-232
    発行日: 1960/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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