The Journal of Antibiotics, Series B
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新抗生物質ミカマイシンの臨床研究
石山 俊次隅田 正一武田 盛雄
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1961 年 14 巻 2 号 p. 60-64

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抄録

ミカマイ1シンは, その発見者である住木・梅沢その他によると, 東京都三鷹市の土壌から分離したStreptomnyces mitakaensisの産生する新抗生物質で, ミカマイシンAおよびBの両物質があり, ともにエリスロマイシンに似た抗菌スペクトルをもち, 一定の割合に混合されたAおよびBは相互に強い相乗効果を示す1~11)。
ミカマイシンを内服すると, あまり高い血中濃度が得られない。それで, 始めは軟膏の形で専ら外用として用いられ, その臨床効果のあることがみとめられた12~14)。しかし, 動物実験で, ブドウ球菌, 溶血連鎖球菌および肺炎球菌などによる感染マウスでは, このように血中濃度, 臓器濃度の測定値が低いにもかかわらず, 充分な治療効果を期待することができる。
このような事実にもとずいて, はたして臨床面では内服ミカマィシンの効果は期待しうるものかどうか。有効であるとすれば, どのような機転によるものかを検討する目的でこの研究をおこなつた。

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