The Journal of Antibiotics, Series B
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耐性及び感性赤痢菌を被検菌とした放線菌濾液のスクリーニング成績
鳥山 和壮山口 東太郎鈴木 道子力丸 光雄石田 名香雄
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1963 年 16 巻 4 号 p. 249-251

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抄録

放線菌の産生する抗菌性物質のスクリーニングは従来種々の被検菌を用いておこなわれ, その範囲はカビ, 酵母にとどまらず植物病原菌やMycoplasmaにまで及んでいる。しかし大別すると病原菌を直接目標としたスクリーニングとグラム陽性, 陰性, 抗酸性菌等のうち, 代表的非病原性菌を被検菌として, むしろ物質の抗菌スペクトルのパターンとその化学的性状の判別に主点を置いて選ぶ方法とがある。
我々は近年, 耐性赤痢菌の問題が特に我国でクローズアップされている事実に着目し1), またその耐性の本態がエピゾーム依存性2) であり, 細胞壁になんらかの変化が予想されることを考え併せて, 耐性赤痢菌にのみ特に有効な化学構造が存在するであろうという予想の下に, 耐性および感性赤痢菌を用い, これらに有効な効線菌濾液のスクリーニングをおこなつたので, その結果を簡単にまとめて予報したい。結論としたいところは, 変つた病原菌を被検菌として加えるとそれだけ新しい物質群の選択される可能性のあるということ, すなわちはじめにのべた2つのスクリーニング法のうち前者の価値は充分考慮してよいということである。

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