Lincomycinは,Streptomyces lincolnensisの培養濾液から分離され, 主としてグラム陽性菌に作用する抗生物質である。本剤の構造式はC18H34H2O6S・HCl, H2Oとされ, Macrolide系抗生剤と類似の抗菌スペクトルを示している。
他の諸抗生剤との間に交叉耐性はなく,in vitroの耐性発現もかなり緩徐であるといわれている。
以下, われわれはLincomycin (LCM) に対するブドウ球菌, 肺炎球菌の感受性, 血中濃度, 臓器内濃度などを検討し, 臨床的には内科系諸感染症に使用したので, これら成績の概要を記述する。