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五島 瑳智子, 桑原 章吾
1965 年 18 巻 2 号 p.
47-49
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycinは,
Streptomyces lincolnensisの産生する抗生物質で, グラム陽性菌に対して抗菌作用を示し, 特に
Micrococcus, Diplococcus, Streptococcusに対しては抗菌力が強く, グラム陰性菌, および腸球菌には効果を示さない。また, 病巣から分離した耐性ブドウ球菌にも有効で, Penicillin, Erythromycin, Novobiocin, Tetracycline, Chloramphenicol, Streptomycin, Neomycinなどとの交叉耐性はないといわれている1)。
我々は, Lincomycin (LCM) に対する一般細菌の感受性, とくに最近病巣から分離したブドウ球菌に対する抗菌作用をしらべ, 他薬剤の感受性と比較した。また, LCM disc (2mg/disc, 5mg/disc) の使用も試みたので, その成績を報告する。
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小酒井 望, 小栗 豊子
1965 年 18 巻 2 号 p.
50-52
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
1963年10月から1964年2月までに, 各種臨床材料から分離された肺炎球菌, 溶血連鎖球菌, 腸球菌, 黄色ブドウ球菌のLincomycin (LCM) ならびにマクロライド系抗生物質, その他抗生物質に対する感受性を, 平板希釈法によつて測定した。
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河野 恵, 橋本 一, 三橋 進
1965 年 18 巻 2 号 p.
53-55
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
ブドウ球菌は赤痢菌, 結核菌とともに抗生剤に耐性を獲得しやすく, テトラサイクリン (TC), ストレプトマイシン (SM), ペニシリン (PC), スルホンアミド (SA) に高度耐性を示す菌が多い。これらの薬剤に代つて奏功していたエリスロマイシン (EM) 等のマクロライド抗生剤 (Mac) に対しても, すでに約15%の耐性株の出現をみている1)。新抗生剤リンコマイシン (LCM) は, ブドウ球菌感染症の治療に新たな期待を抱かせるとともに, 一方では耐性化も懸念される。LCMのブドウ球菌に対する抗菌作用を調査し, LCM耐性とMac耐性との関係について興味ある知見を得たので報告する。
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中沢 昭三, 本間 達子, 横田 芳武, 南 亜夫, 堀川 浩子
1965 年 18 巻 2 号 p.
56-60
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
本論文の要旨は, 昭和39年3月25日東京虎ノ門病院における第159回日本抗生物質学術協議会臨床部会ならびに昭和39年6月11日東北大学において開催された第12回日本化学療法学会総会“Lincomycinシンポジウム”基礎部門にて報告したものの一部である。
Lincomycinは1962年, 米国アップジョン社研究陣MASON, DEBOERおよびDIETZによつて新放線菌
Streptomyces limolnensis var.
lincolnensisの培養液から得られた新抗生物質である。
私共はこのLincomycin (以下, LCMと略す) について, その抗菌力, 抗菌スペクトラムおよび患者分離病原ブドウ球菌に対する感受性, 抗菌作用に及ぼす諸因子の影響, 交叉耐性の問題, 試験管内抗菌作用の型式, マウス実験的感染症に対する治療効果, 耐性獲得状態などの諸種細菌学的な基礎研究をおこない2, 3の知見が得られたのでここに報告する。
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荒谷 春恵, 山中 康光, 檜垣 雄三郎, 広実 利夫, 橋本 孝夫, 中川 辰男
1965 年 18 巻 2 号 p.
61-63
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
1962年MASON1)らによつて発見されたLincomycinは, 主としてGram陽性菌に作用する新抗生瀕で, その抗菌像はPenicillin GおよびMacrolide系抗生物質 (Erythromycin等) と類似している。加えて, 耐性ブ菌に対して有効であるばかりでなく, 交叉耐性もないと報告されている。ところで, その毒性について, 急性毒性 (LD
50) は, マウスなど4種類の動物の経口投与群では4,000mg/kg以上, 腹腔内投与群では1,000mg/kg (マウス) であった。また, イヌおよびサルに300mg/kg経口投与した場合, 臨床的な症状は全くしめさなかつた。さらに, イヌに30~300mg/kgを1ヵ月間連用したさい, 臨床的な症状はみられず, 血中Glucose, 尿素, Creathine, 総蛋白量, Prothrombinに変化はなく, 肝機能 (Bromsulphalein, Transaminasc, SGO, SGP) 能や腎機能にも変化はないと報告されている。しかし, 心臓, 腸管運動などに対する作用については, 報告されていない現状である。
われわれは今回Lincomycin入手の機会を得たので, 摘出臓器 (心臓, 腸管, 血管) および血圧, 呼吸におよばす影響について検討し, 以下述べるような結果を得た。
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金沢 裕, 倉又 利夫, 七里 義雄
1965 年 18 巻 2 号 p.
64-69
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
MASON1, 2, 3, 4) 等により開発され, グラム陽性菌に特異的に抗菌力をもつ新抗生剤Lincomycinについての, 臨床検査法としての体液中濃度測定法, デイスクによる感受性測定法について検討し, 臨床的治療効果について多少の経験を重ねたので報告する。
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水原 春郎, 藤森 一平, 小川 順一, 黒川 光一, 影山 公一, 田中 健彦, 伊藤 周治, 松田 三和, 石田 堅一, 勝 正孝
1965 年 18 巻 2 号 p.
70-73
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycinは米国Upjohn社によつて研究開発された新らしい抗生剤で,
Streptomyees lincolnensisから分離され, グラム陽性菌に対して抗菌力を示す抗生物質である。
我々は今回, Lincomycinの供与を受け, 当院外来ならびに入院患者について, 内科, 外科, 小児科の各領域にわたつて本剤を使用し, その臨床効果を検討する機会を得た。また同時に, ブドー球菌に対する本剤の抗菌力と, 経口または筋注投与時の血中濃度の推移について検討を加え, 若干の知見を得たので報告する。
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加藤 康道, 富沢 磨須美, 千葉 享, 千秋 肇, 小島 愛司, 松本 義孝, 桜庭 喬匠
1965 年 18 巻 2 号 p.
74-79
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
1963年にMASONらによつて発見された抗生物質Lincomycinはグラム陽性菌群に抗菌力をしめし, いわゆる耐性ブドウ球菌にも抗菌力があるといわれ, 既存のMacrolide抗生剤と交叉耐性がないという1)。
我々は, 今回次の諸点について基礎的および臨床的検討をくわえたので報告する。
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Lincomycinについて
北本 治, 深谷 一太
1965 年 18 巻 2 号 p.
80-81
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycin (Lincocin ‘Upjohn’)(LCMと略) は, Lincolnensinともいわれ,
Streptomyces, lincolnensis var.
lincolnensis nov. sp. からとられた抗生物質で, 他の抗生物質とは交叉耐性がないといわれ, グラム陽性菌に対して抗菌力をもち, 毒性が低いこと,
in vitroの耐性獲得がおそいことなどが報ぜられている。Erythromycin (EM) にも比すべき抗菌力がブドウ球菌, 連鎖球菌などに対して示されるとされ, マクロライド群に近い抗生物質とみなされている。今度, LCMに関して基礎的な2, 3の検討をおこなうをえたので, その成績について報告する。
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清水 喜八郎, 畠山 正巳, 国井 乙彦, 陣立 恒夫, 島田 馨
1965 年 18 巻 2 号 p.
82-84
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
新抗生剤Lincomycin (Lincocin ‘Upjohn’) についての基礎的, 臨床的検討をおこなつたので, その成績について報告する。
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上田 泰, 松本 文夫, 中村 昇, 斎藤 篤, 野田 一雄, 西田 芳治
1965 年 18 巻 2 号 p.
85-88
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycinは,
Streptomyces lincolnensisの培養濾液から分離され, 主としてグラム陽性菌に作用する抗生物質である。本剤の構造式はC
18H
34H
2O
6S・HCl, H
2Oとされ, Macrolide系抗生剤と類似の抗菌スペクトルを示している。
他の諸抗生剤との間に交叉耐性はなく,
in vitroの耐性発現もかなり緩徐であるといわれている。
以下, われわれはLincomycin (LCM) に対するブドウ球菌, 肺炎球菌の感受性, 血中濃度, 臓器内濃度などを検討し, 臨床的には内科系諸感染症に使用したので, これら成績の概要を記述する。
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中川 圭一, 庄司 文久
1965 年 18 巻 2 号 p.
89-90
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycin (以下, LCMと略) は, アメリカUpjohn研究所で最近発見された抗生物質で, グラム陽性球菌に対して作用する非マクロライド系抗生物質である。われわれは, 本物質を9例の呼吸器感染症に使用し, かつ本剤投与時の血中濃度, 尿中排泄率を測定したので, それらの成績について報告する。
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木下 康民, 荻間 勇, 山作 房之輔, 門馬 勇次, 近藤 有好, 望月 博之, 伊藤 慶夫, 関根 理, 山崎 雅司, 小林 良彦
1965 年 18 巻 2 号 p.
91-94
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Streptomyces lincolnensisから分離された新抗生物質Lincomycinについて, 抗菌力, 薄層カップ法による体液中濃度測定法, 血中濃度, 尿中排泄, 臨床効果について検討したので, 報告する。
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後藤 幸夫, 森田 繁二, 高野 道子, 金子 宏, 阿多 実茂
1965 年 18 巻 2 号 p.
95-97
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Streptomyces lincolnensisから得られた新抗生物質Lincomycin (LCM) について, 私共のおこなつた実験的ならびに臨床的研究の結果から, 本剤の新抗生剤としての意義を検討する。
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塩田 憲三, 三木 文雄, 東 朋嗣, 岩崎 峭, 赤尾 満
1965 年 18 巻 2 号 p.
98-101
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Streptomyces lincolnensis var.
lincolnensis sp. n. によつて産生される抗生物質Lincomycin (LCM) について, 2, 3の基礎的検討とともに, 感染症に対する治療効果を検討したので, その成績を報告する。
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藤本 安男, 竹尾 信男
1965 年 18 巻 2 号 p.
102-103
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Gram陽性菌に有効で, 従来のMacrolide系抗生物質やPenicillinと交叉耐性のない新しい抗生物質Lincomycin が開発され, Upjohn社から提供されたので臨床的に使用してみた。
上気道感染症にはLincomycinの内服を, 重症感染症の敗血症には注射を併用した。
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河盛 勇造, 田中 脩示, 野田 俊策, 三瀬 貞博, 古田 利房
1965 年 18 巻 2 号 p.
104-105
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
ペニシリンG, テトラサイクリン等に耐性をもつブドウ球菌に対して, 抗菌力を示す種々な化学療法剤が提供され, 各種の合成ペニシリンもこの要求をみたしている。エリスロマイシンをはじめとするマクロライド系抗生物質も, これら耐性ブ菌に有効な薬剤であり, しかも臨床上種々な有利性をもつことは, 既に私共1) の指摘したところである。
最近提出されたLincomycin (LCM) は, このマクロライド系に近い抗菌スペクトルをもつ抗生物質とされているので, 本物質の臨床的価値を確める目的で, 2, 3の基礎的実験を試み, 少数例ながら臨床にも使用したので, その結果を報告する。
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藤井 良知, 市橋 治雄, 紺野 昌俊, 竹下 尚徳, 木田 盈四郎, 時松 昭, 宇野 進
1965 年 18 巻 2 号 p.
106-110
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Streptomyces lincolnensisから分離された新らしい抗生物質Lincomycin (以下, LCMと略す) について, 患者から分離されたCoagulase陽性葡菌の感受性, 小児の血中濃度, 尿中排泄率および臨床使用成績について検討したので報告する。
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佐藤 肇, 大石 久, 岡 秀, 中沢 進, 張 南薫, 野原 俊一, 張 志明, 新井 蔵吉, 近岡 秀次郎
1965 年 18 巻 2 号 p.
111-116
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycin (Lincocin ‘Upjohn’, LCMと略) は, D. J. MASON, A. DIETZ & C. DE BOER, が, Nebraska州Lincoln市の土壌菌,
Streptomyces lincolnensis var.
lincolnensis nov. sp. から得た新抗生物質で, その抗菌性はグラム陰~陽性球菌, 特に葡菌, 連鎖球菌, 肺炎菌, ナイセリヤ菌属ならびにグラム陰・陽性球菌としての
Hemophilus, Clostridium, Corynebacterium等に広く作用し, Macrolide抗生剤にその性状の一部が類似しているが, 今までの報告によると, 本剤とErythromycin (EM), Penicillin G (PC), Streptomycin (SM), Chloramphenicol (CP), Novobiocin (NB), Oleandomycin (OLM), Tetracycline (TC) 間には抗菌性の面で交叉耐性のみられぬ点が指摘されている。
また,
in vitro,
in vivo両面において本剤に対する諸種細菌類の耐性獲得は緩慢であり, 内服, 筋注, 静注の動物試験において, 非常に毒性の少いことが証明されている。本剤には内服, 注射用 (筋注, 静注可能) があり, EMに比較して内服後の吸収が優秀であることも報告されている。
私等も今回, 本剤を使用しての小児科領域における基礎的, 臨床的検討をおこなつたが, 耐性獲得葡菌を含むグラム陽性球菌類 (溶連菌, 肺炎菌等) に起因する急性感染症が小児科領域において多い関係上, 特に治療効果および副作用の面に重点をおいて観察してみた。
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石井 良治, 前田 外喜男, 石引 久弥, 大井 博之, 恒川 陽, 中村 泰夫
1965 年 18 巻 2 号 p.
117-119
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycin (以下, LCM) は,
Streptomyces lincolnensisから得られた新抗生物質で, その基礎的研究はMASON, HERR, HANKA等のグループから詳細に報告されている1~4)。本剤は, グラム陽性菌に殺菌的に作用し, 既存の抗生物質との間に交叉耐性をもたぬ点が特異性とされている。
我々はLCMに関する若干の基礎的検討と臨床使用経験を得たので報告する。
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石山 俊次, 坂部 孝, 潮 沙都也, 岸岡 万喜男, 古橋 雅一, 城野 鐘昊, 高橋 右一, 長崎 祥祐, 川上 郁, 西岡 伸也, 中 ...
1965 年 18 巻 2 号 p.
120-125
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycin (以下, LCM) は,
Streptomyces lincolnensis var.
lincolnenis sp. nov. の培養濾液から抽出された新抗生物質で, その特徴として,(1) 主としてGram陽性菌に対して優れた抗菌力を示す。(2) 現在, 臨床的に使用されている他の抗生物質と交叉耐性をもたない。(3) 耐性獲得の型はSMに類似するが, 緩徐である。(4) よく水に溶解し (300mg/ml), 安定で, かつ毒性の少いこと, 等があげられている。吾々は最近このLCMを使用する機会を得たので, 基礎的検討をおこなうとともに臨床成績を報告する。
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柴田 清人, 田中 幸男, 花井 卓雅, 加藤 剛美, 深見 武志, 斉藤 道夫, 水野 貴男
1965 年 18 巻 2 号 p.
126-130
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
1963年HERR, BERGYによつて
Streptomyces lincolnensis var.
lincolnensis sp. n. の新らしい放線菌の醗酵ブイヨンから新抗生物質Lincomycinが産生され, このものは酸, アルカリにわたる広いpHにもきわめて安定で毒力も少く, グラム陽性菌に対して強い抗菌力をもつた抗生剤であることが発表された。
今回我々は, Lincomycin (以下, LCMと略) を各種外科的感染症に使用して良好な臨床効果を得, さらに血中濃度, 乳汁中, 創液中移行量, 尿中排泄量ならびに病原性ブドウ球菌, グラム陰性桿菌に対する感受性成績を得たので報告する。
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奥山 宣夫, 白羽 弥右衛門, 酒井 克治, 田中 公一郎, 岡本 源八, 中尾 純一
1965 年 18 巻 2 号 p.
131-134
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
最近, Upjohn社から提供されたLincomycin (以下, LCMと略) は,
Streptomyces lincolnensisが産生する新らしい抗生物質であつて, グラム陽性球菌に対して強い抗菌作用を示し, しかも他の抗生剤との間には交叉耐性を示さないといわれている。また, LCMはよく水に溶け, 血液や組織液中で安定でもある。そのため, これを経口投与しても, すみやかに吸収されて, 高い血中濃度を維持するという。われわれは, LCMを基礎的に検討したうえ, 諸種の感染症に応用したので, その結果をここに報告する。
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水野 重光, 松田 静治, 富田 昭二, 森 操七郎, 黒川 徹男, 橋本 義正, 中野 剛
1965 年 18 巻 2 号 p.
135-138
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
近年化学療法の分野で最も重要視される問題は, 耐性菌感染症に対する治療対策であり, このため耐性ブドウ球菌 (ブ菌) 等に有効な新抗生物質の探求, 既知抗生物質の改良等が盛んに試みられている。今回, 吾々は新らたに登場したグラム陽性菌に有効な新抗生物質Lincomycinについて実験をおこなう機会を得, 抗菌試験, 血中濃度の測定結果を検討するほか, 産婦人科領域における臨床応用の成績について以下報告する。
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立花 和典, 山田 端穂, 武田 敏夫, 太藤 重夫
1965 年 18 巻 2 号 p.
139-141
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycin (以下, LCMと略) は
Streptomyces lincolnensis var.
lincolnensis nov. sp. var. が産生する新らしい抗生物質で, グラム陽性菌に抗菌性を示し, 他の抗生物質との交叉耐性はないとされている。
我々は皮膚科領域においてLCMを使用する機会を得たので, その成績を次の項目に分けて報告する。(1) 葡菌感受性および他剤との比較,(2) 血中濃度,(3) 臨床使用成績,(4) 梅毒性家兎睾丸炎に対する効果。
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谷奥 喜平, 藤田 慎一, 荒田 次郎
1965 年 18 巻 2 号 p.
142-144
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
最近我々は, 新抗生物質Lincomycinを皮膚科領域において使用する機会を得たので, その臨床成績に若干の基礎的データを加えて報告する
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五島 応安, 村本 修敬
1965 年 18 巻 2 号 p.
145-147
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
新抗生物質リンコマイシンについて, 試験管内抗菌力ならびに臨床効果について検討を試みたので報告する。
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大越 正秋, 生亀 芳雄, 工藤 三郎, 藤村 伸, 徐 慶一郎
1965 年 18 巻 2 号 p.
148-151
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
尿路感染症は, 他の感染症と異なり, 起炎菌の種類, およびその薬剤耐性分布にも特異性が強く, そのうえ起炎菌が好適な液体培地ともいうべき尿にたえず接している状態にあるため, 治療上各種薬剤の適否, 選択が重大な問題となる。われわれは, 最近, 日本Upjohn社からグラム陽性菌に強い抗菌力を示すという新抗生物質Lincomycinの提供をうけ, 本剤の血中および尿中濃度を測定すると同時に, 尿路感染症10例にこれを使用したので, その成績をする。
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病原性葡萄球菌の感受性試験
小室 敏
1965 年 18 巻 2 号 p.
152-155
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycin (以下, LCMと略) は,
Streptomyces lincolnensis var.
lincolnensis nov. sp. var. からつくられたごく新らしい抗生物質で, その特長は, 毒性が少く, 結晶, 水溶液においても, 酸, アルカリに対しても, きわめて安定で, Gram陽性菌には強い抗菌力を示し, 既知の抗生物質Erythromycin (EM), Penicillin G (PC), Streptomycin (SM), Chloramphenicol (CP), Novobiocin, Oleandomycin (OLM), Bacitracin. Neomycin, Polymyxin, Tetracyclineと交叉耐性を示さないといわれている。
私は, 今回, 日本抗生物質学術協議会から本剤の提供をうけ, 眼科領域における応用を検討し2, 3の知見を得たので報告する。
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大石 正夫, 林 日出人, 周田 茂雄
1965 年 18 巻 2 号 p.
156-161
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
Lincomycinは1963年米国アップジョン社の研究陣によつて
Streptomyces lincolnensisの培養炉液から製造された新抗生剤で, Lincocinはその商品名である。
本剤の塩酸塩は, 白色の結晶で, 室温で水に易溶, 安定度が高い。その抗菌作用は, グラム陽性菌に強く,
Strept. faecalisやグラム陰性菌には作用を示さないが,
Clostridium, Corynebacterium, Neisseriaおよび
Hemophilusの或る菌株は感受性を示す。従来の抗生剤とは, 交叉耐性がみとめられないという。
本剤は, 経口, 筋注および静注によつて投与され, 比較的高い有効血中濃度が得られ, 血清蛋白との結合は低率で臓器による不活性化も著明でなく, しかも毒性はきわめて低いことが証明されている。臨床的には, 各科領域におけるブドー球菌 (以下, ブ菌), レンサ球菌および肺炎球菌感染症に用いて有効のことが報告されている。
私共もアップジョン社から本剤の提供をうけて2~3の基礎的実験ならびに臨床実験をおこなう機会を得たので, 以下それらの成績を報告する。
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三辺 武右衛門, 飯田 宏美, 村上 温子
1965 年 18 巻 2 号 p.
162-163
発行日: 1965/04/25
公開日: 2013/05/17
ジャーナル
フリー
リンコマイシンは
Streptomyces lincolnensisから産生された新抗生物質で, エリスロマイシンに似た抗菌スペクトルムをもつている。LEWIS (1963) 等によつて初めてエリスロマイシンと同様の濃度でグラム陽性菌に有効であることが証明され, グラム陽性菌による諸感染症の治療に有効であると報告せられている耐性がなく。本剤は多くの抗生物質に交叉, また耐性化は比較的緩慢であると発表せられている。
私共は本剤を耳鼻咽喉科感染症に試用して, 見るべき成績を得たのでその概要について報告する。
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