1965 年 18 巻 6 号 p. 506-508
Lincomycin (LCM) は, 主としてグラム陽性球菌に対して抗菌力をもつ抗生物質で, その抗菌スペクよルはマク旨ライド系抗生物質と相似しているとされ, pHがアルカリ側にラつるにつれて抗菌力の増強がみられることも共通している。また, マウスにLCMを経口投与後, 腸管内容, 臓器内濃度を検索した著者の成績では, 腸内容には活性 LCMが, 200mg/kg投与で3,000~5,000mcg/gに達したことがみとめられたことなどから, 本剤をマクロライド系諸剤にならつて細菌性赤痢の患者に試用したので, その成績を報告する。