The Journal of Antibiotics, Series B
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放線状菌の血清學的研究 第1報
秦 藤樹大木 夏男横山 康彦古賀 文若
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1953 年 6 巻 2 号 p. 57-60

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抄録

前報で大木は, 含水炭素を使用して放線状菌の分類を試み, その成績を報告したが, 今回は血清学的方法によつて放線状菌を分類することができるかどうかを研究したところ, 満足すべき知見を得たので報告する。
細菌類の菌種, 菌型の鑑別をおこなうに当つて, 血清学的方法を応用するのは欠くことのできない手段である。放線状菌と近縁関係にある結核菌或いはジフテリア菌に於いて血清学的反応が成立するので, 放線状菌に於いてもこの血清学的反応が成立することが考えられる。文献を見ると, 1936年青木が嫌気性病原性放線状菌か於いて, 凝集反応, 沈降反応, 補体結合反応が見られ, 菌株に特異性があると報告している。沈降反応は, EHRLICH, et al (1948), その他2, 3の研究者かよつておこなわれているが, LUDWIG, HUTCHINSON (1948) 等は沈降反応, 凝集反応によつてStreptomyces, Nocardia等に於いて菌種の特異性を認めている。我々は血清反応によつて放線状菌の分類を試みようとし, 更に前報の含水炭素かよる分類法との間にどのような関係があるかを知ろうとして本研究をおこなつた。

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