The Journal of Antibiotics, Series B
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6 巻, 2 号
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  • 秦 藤樹, 大木 夏男, 横山 康彦, 古賀 文若
    1953 年 6 巻 2 号 p. 57-60
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    前報で大木は, 含水炭素を使用して放線状菌の分類を試み, その成績を報告したが, 今回は血清学的方法によつて放線状菌を分類することができるかどうかを研究したところ, 満足すべき知見を得たので報告する。
    細菌類の菌種, 菌型の鑑別をおこなうに当つて, 血清学的方法を応用するのは欠くことのできない手段である。放線状菌と近縁関係にある結核菌或いはジフテリア菌に於いて血清学的反応が成立するので, 放線状菌に於いてもこの血清学的反応が成立することが考えられる。文献を見ると, 1936年青木が嫌気性病原性放線状菌か於いて, 凝集反応, 沈降反応, 補体結合反応が見られ, 菌株に特異性があると報告している。沈降反応は, EHRLICH, et al (1948), その他2, 3の研究者かよつておこなわれているが, LUDWIG, HUTCHINSON (1948) 等は沈降反応, 凝集反応によつてStreptomyces, Nocardia等に於いて菌種の特異性を認めている。我々は血清反応によつて放線状菌の分類を試みようとし, 更に前報の含水炭素かよる分類法との間にどのような関係があるかを知ろうとして本研究をおこなつた。
  • 細谷 省吾, 添田 百枝, 小松 信彦, 原 望, 山口 辰良
    1953 年 6 巻 2 号 p. 61-66
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1949年に細谷, 添田, 小松, 園田は, Streptomyces reticuliまたはこれにごく近いspeciesに属する放線菌H-365株がストレプトマイシン類似の新抗生物質を産生することを見出し, この物質をレチクリンと名づけた。その際レチクリンは精製法, 抗菌スペクトル, 毒性, 定性反応などストレプトマイシンに酷似しているが, レチクリンはアルカリ分解によつてマルトールを生じないことと, ペーパークロマトグラフィーでストレプトマイシンと異なることを明らかにした。その後, レチクリンのタンク培養による生産, またレチクリンはスライドセルカルチュア法で人型結核菌に強く作用すること, モルモットの実験的結核症に対して著明な治療効果を発揮することを報告した。
    1950年にいたつて, GRUNDY等, BENEDICT等は, それぞれ無関係に, ストレプトマイシン類似の新抗生物質を分離した。GRUNDY等の得た物質とBENEDICT等の得た物質は同じものと考えられるが, ことにBENEDICT等は詳細な研究をおこない, この物質の産生株をStreptomyces griseocarneusと名づけ, この物質の化学的組成に関する研究をおこない, 仮定的構造式を提出し, Hydroxystreptomycinと命名した。
    また一方において, 細谷, 小松, 添田はレチクリン産生株H-365株の菌体から抗カビ・抗酵母物質を結晶状に分離してこれをRotaventinと名づけ, またBENEDICTから梅沢博士に送られたS. griseocarneusの分与を受け, その菌体からrotaventinと同一物質と推定される抗カビ・抗酵母物質を分離した。
    この報告ではS. griseocarneusとH-365株の菌学的性状の比較, レチクリンとハイドロキシストレプトマイシンとの比較研究をおこない, 両者の化学構造について言及したいとおもう。
  • 酵素化学的研究-Penicillium chrysogenum Q176のアミラーゼ作用について
    安田 春太郎, 坂本 有典, 榎本 秀夫
    1953 年 6 巻 2 号 p. 67-69
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    前報にはP. chrysogenumのリパーゼ作用を報告したが, カビが発育している環境と, これから離れた条件で酵素の作用を見たところ, 著るしい差を見出した。後者の条件で研究した報告は多いが, 発育している環境での研究は少い。KNIGHTはl-アミノ酸酸化酵素の報告で, 発育の盛んな低pHで生産され, 発育が悪い終期のアルカリ性pHでは生産されず, その作用はpH8.0で最大であるが, P. chrysogenum Q176が発育しつつあるpH4~5でもなお生産されること, 至適pHである振盪培養7日目には最初の作用の1/2以下であることを述べているが, これはPotential, Effective activityの相違であろう。
    アミラーゼ作用については, 大槻が表面培養において自己消化液, アセトン標品及び培養濾液について報告しているが, 著者等は前報と同様か, 培養条件を中心としてアミラーゼ作用を試験したので, ここに報告する。
  • 藤本 義夫, 小山 茂次
    1953 年 6 巻 2 号 p. 70-72
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生物質の生物学的微量定量法としては, 殊に体液内濃度の測定等の場合には, 鳥居, 川上等の重層法が実施も容易であり, 且つ正確なことが認められている。玉川等は, 重層法の被検菌として枯草菌 (K株) の使用を報告しているが, この方法はメチレン青や血液を用いない点で, 実施がより容易である。さきに川俣が分離した1好気性有芽胞細菌B-21は, 殊にペニシリンに対して, 従来の報告に見ない程度の高感受性をもつことを知つたので, その菌を重層法の被検菌として用いて一層微量のペニシリンを測定できるのではないかと考えて, 本実験をおこなつた。
  • カップ法の測定誤差について, その1
    福田 秀雄, 岡本 喜久子, 森 敏子
    1953 年 6 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Penicillinの力価は, 通常Cup法によつて測定されている。この方法は, Staphylococus aureus 209Pを試験菌とする1種のBioassayで, その測定誤差はかなり大きいと考えられる。Cup法の測定誤差については, 既に梅沢等の報告があるが, 筆者等はその誤差の要因を更に検討し, また日々の測定技術を統計的にcontrolすることによつてCup法の測定精度を高めようと努めた。
    一方, Cup法はその測定所要時間が長いため, Cup法自体の測定精度をいくら高めても, 最も必要な時期に必要な情報知識を得ることができない。従がつて試料の相違によつてそれぞれに適した方法, たとえば培養液に対しては旋光計による方法, 精製途中の試料に対してはヨード法等のように, 測定所要時間が短く, 精度の高い力価測定方法を採用し, これらの方法による測定値と同じ試料に対するCup法での測定値の関係を推計学的に検討することによつて, Cup法を基準とした場合のこれらの測定計算式を確立した (この場合にも当然Cup法の精度の高いことが要求される) 。こうすることによつてcontrolされた測定技術による実測値を基礎として種々の培養, 抽出, 精製実験の結果を批判することもできよう。
  • カップ法の測定誤差について, その2
    福田 秀雄, 岡本 喜久子, 森 敏子
    1953 年 6 巻 2 号 p. 78-82
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    本研究の第1報には, ペニシリンの力価測定法としてのカップ法の測定誤差要因に関して報告したが, 本報告にはこのカップ法を工場現場での測定方法として使用する場合に生ずる種々の問題, 即ちカップ法の精度を更に高めるための操作方法, 測定者の個人誤差及びカップ法測定技術管理方式等に関する研究結果について報告する。なお, 第1報にも既に述べたが, 筆者等の研究目的は飽くまで工場現場での測定作業分析である。
  • 中渡瀬 進
    1953 年 6 巻 2 号 p. 83-85
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生剤の使用価値を高めるため, 抗生剤を併用しようと試みる前に, 併用の可否を検討するのは大事と思われる。そこで, 私は抗生剤の単独療法と併用療法の比較を試験管内実験による殺菌効果及びマウスの感染防禦実験によつておこなつた。
  • 併用による耐性獲得の防止に就いて
    内藤 寛
    1953 年 6 巻 2 号 p. 86-89
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    CARPENTER, et alは淋菌を使つてSulfathiazol, Rivanol lactate, Promin及びPenicillinについて単独及び併用による耐性獲得の状態を実験し, 4種を併用することによつて耐性獲得が全く防止されたと報告し, KLEIN&KIMMELMANはブドウ球菌を使つてStreptomycinとPenicillinとの併用効果について実験し, 両者にSulfadiazineを加えると耐性増強防止効果を認めたと報告し, 渡辺はブドウ球菌を使つてPenicillinとStreptomycinとの協同耐性について, 山川はチフス菌を使つて動物実験でPenicillinとChloramphenicolの併用による耐性増強防止を報告している。
    抗生物質は, 単独に用いるときよりも, 併用したときのほうが効果を増すことから考えても, 耐性獲得の場合にも, 単独に用いるときよりも2種以上併用したときのほうが或いは耐性獲得の防止に役立つのではないかと想像される。私は先に5種抗生物質 (Streptomycin, Penicillin, Chloramphenicol, Aureomycin及びTerramycin) 単独に対する耐性獲得の状態について報告したが, これらの抗生物質を2種以上併用した場合にどういう耐性獲得の状態を示すか, どの組合わせのときに耐性獲得の防止に役立つかに就いて実験した。
  • 小笠原 一男
    1953 年 6 巻 2 号 p. 90-92
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    急性腹膜炎に対する各種抗生剤の応用は, われわれ外科医が日常遭遇する問題であり, わたくしどもの教室でも, 数年来研究の対象としているところである。それでこれら抗生剤の腸運動におよぼす影響についても2, 3の検討を試みた。
    抗生物質の腸運動におよぼす影響については, 岩川教授等の広範な研究があり, サルファ剤については, 永井, 井沢, GANSSEN, BREISGAU等の報告もあるが, 腹膜炎における抗生剤の影響についてはまだ記載がない。そこで, わたくしは家兎に実験的腹膜炎をおこしたのち抗生剤を投与して腸運動に対する影響をも観察した。
  • 抗生物質の拡散-第3報
    宮村 定男
    1953 年 6 巻 2 号 p. 93-95
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    寒天平板拡散法による抗生物質に対する細菌の感受性測定は以前からおこなわれているが, すべて阻止帯の長さを以てしか表わされていないので, 未だScreening testの域を脱していない。最近HOYT等及びPATRICK等の実験以来, Sensitive tabletsが普及されているがそれも各種細菌の示す阻止円の大きさを比較したものである。
    私はこの阻止円直径が示す細菌の発育阻止濃度を直接測定する方法について検討したので茲に報告する。使用した抗生物質はペニシリン, クロランフェニコル, テラマイシン, オーレオマイシン及びストレプトマイシンの5種で, 細菌としては, ここでは特にB. subtilis PCI219, Staphylococcus 209P, B. coli NIHJを選んだ。
  • 1952年11月22~23日 慶大医学部北里講演
    1953 年 6 巻 2 号 p. 96-115
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1953 年 6 巻 2 号 p. 116-118
    発行日: 1953/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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