トリコマイシンの比濁法としては, 既に厚生省の抗生物質基準に採録されている国家検定の方法があるが, これによると, 試験培養に18~25時を要する。これを4~5時の短時間でなし得る迅速方法があれば, 毬々の点で都合がよい。特に, トリコマイシンの安定性試験等においては, その必要性を痛感する場合がある。一方, この比濁法に使用している試験菌Candida albicansの発育状況からすれば, それはさして困難とも思えぬ。以上のことから, トリコマイシンの迅速比濁法の実験方法を選び出すために,本研究を始めた。