The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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尿路感染症の化学療法に関する基礎的研究
第2報大腸菌に対する化学療法剤の抗菌力におよぼす尿pHの影響
猪狩 淳, 近藤 弘司, 工藤 正十三, 狩野 元成
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1968 年 21 巻 3 号 p. 118-123

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抄録
尿路感染症の治療には一般に化学療法がおこなわれるが, そのさいに, 原因菌を決定し, その菌の化学療法剤感受性を測定して, 治療薬剤を決定するのが常識になつている1) 。現在, 化学療法剤の感受性検査は, ディスク法による測定が広くなされているが1), このばあいの使用培地のpHは7.2である。ところが, 尿pHは正常人尿でも4.8~8.0の幅広い変動があり, Proteus菌群のような尿素分解菌による尿路感染症では尿pHが9以上になる。このように正常状態でも, 病的状態でも尿pHの変動幅は大きい。このため, 日常おこなわれている化学療法剤感受性成績と, 臨床上の薬剤効果との間にくいちがいがおこる可能性がある。
私共は, 前報で, 健康人尿における大腸菌の増殖と尿pHおよび尿滲透圧の関係を報告した。大腸菌は尿pHが6~8, 滲透圧は200~900mOsm/Lの間で, その増殖がきわめてよかつた。この結果に基づいて今回は尿pHが6, 7, 8のとき, これら尿pHの変化が化学療法剤の大腸菌に対する抗菌作用に及ぼす影響を検討することを目的として, 上記のpHに調整した健康人滅菌尿に, 大腸菌の一定数と化学療法剤が一定濃度になるように加えて, in vitroで尿中細菌の増殖状態を経時的に観察した。
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