1968 年 21 巻 5 号 p. 255-256
近年, 耐性赤痢はますます増加し, 1967 年中に本院に入院した赤痢散発例から分離した赤痢菌69株のすべてが, 常用抗生剤Chloramphenicol (CP), Tetracycline (TC) およびStreptomycin (SM) に対して100mcg/ml以上の高度の耐性を示すに至つた。このように激増した耐性赤痢に対して, 従来Kamamycin (KM), Nalidixic acid (NA), Limcomycin (LNC), Colistin (CL) 等の薬剤を単独に, またはそれらの2種類ときには3種類を併用して用いて来 たが, なお5~20% の再排菌がみられた。
この度 Hetacillin が Aminobenzyl pencillin (AB-PC) 同様の抗菌力を示し, 耐性赤痢に用いて有効であることがみとめられたので, 赤痢患者および保菌者に投与し, 主として除菌効果の有無を検討した。