広域抗生物質として古い歴史をもち, 化学療法剤としてすぐれた性格をそなえているクロラムフエニコールは, 人体用医薬品としてきわめて重要な地位を占めており, その需要量は, はなはだ大きい。
本剤の動物への応用は, まだ日が浅く, 本格的な動物用医薬品として製造されはじめたのは, 約3年前からであるが, 現在, すでに経口投与剤 (粉末剤, 錠剤, カプセル, パルミテート懸濁剤), 注射剤 (溶解液添付純末製剤, 懸濁水性剤), 注入剤および飼料添加剤と, すべての応用分野に進出してきている。
われわれは, 従来から各種抗生物質の動物体内における分布と消長に関する試験を系統的におこなつてきたが, 今回は鶏を用い, クロラムフェニコール投与後の血中および諸臓器, その他, 経口投与では, 消化管内容物に移行する抗生物質濃度を時間を追つて測定したので, その成漬の概要を報告する。
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