The Japanese Journal of Antibiotics
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21 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 上田 泰, 中村 昇, 松本 文夫, 斎藤 篤, 野田 一雄, 大森 雅久, 古屋 千鶴子
    1968 年 21 巻 5 号 p. 247-249
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗生剤の進歩が著しい今日でも, 緑膿菌感染症に有効な抗生剤は数少い。 PolymyximB (以下PL-B) は, 1947年BENEDICTおよびLANGLYKKEらによつて創製されて以来, グラム陰性桿菌, 特に緑膿菌が感受性をもつことから, 臨床的にも大きな期待がもたれていたが, 腎毒性, その他の副作用のため, 全身投与に不安をもつ傾向もみられている。
    われわれは, 大腸菌, 緑膿菌の本剤に対する感受性を測定すると同時に, ラットおよび家兎に連続投与し, 腎におよぼす影響を検討した。
  • クロラムフェニコールの鶏体内分布と消長について
    米沢 昭一, 中村 久, 畦地 速見, 二宮 幾代治
    1968 年 21 巻 5 号 p. 250-254
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    広域抗生物質として古い歴史をもち, 化学療法剤としてすぐれた性格をそなえているクロラムフエニコールは, 人体用医薬品としてきわめて重要な地位を占めており, その需要量は, はなはだ大きい。
    本剤の動物への応用は, まだ日が浅く, 本格的な動物用医薬品として製造されはじめたのは, 約3年前からであるが, 現在, すでに経口投与剤 (粉末剤, 錠剤, カプセル, パルミテート懸濁剤), 注射剤 (溶解液添付純末製剤, 懸濁水性剤), 注入剤および飼料添加剤と, すべての応用分野に進出してきている。
    われわれは, 従来から各種抗生物質の動物体内における分布と消長に関する試験を系統的におこなつてきたが, 今回は鶏を用い, クロラムフェニコール投与後の血中および諸臓器, その他, 経口投与では, 消化管内容物に移行する抗生物質濃度を時間を追つて測定したので, その成漬の概要を報告する。
  • 内藤 伝兵衛, 今井 千尋, 佐古 伊康
    1968 年 21 巻 5 号 p. 255-256
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 耐性赤痢はますます増加し, 1967 年中に本院に入院した赤痢散発例から分離した赤痢菌69株のすべてが, 常用抗生剤Chloramphenicol (CP), Tetracycline (TC) およびStreptomycin (SM) に対して100mcg/ml以上の高度の耐性を示すに至つた。このように激増した耐性赤痢に対して, 従来Kamamycin (KM), Nalidixic acid (NA), Limcomycin (LNC), Colistin (CL) 等の薬剤を単独に, またはそれらの2種類ときには3種類を併用して用いて来 たが, なお5~20% の再排菌がみられた。
    この度 Hetacillin が Aminobenzyl pencillin (AB-PC) 同様の抗菌力を示し, 耐性赤痢に用いて有効であることがみとめられたので, 赤痢患者および保菌者に投与し, 主として除菌効果の有無を検討した。
  • 中井 悠斉, 朝田 康夫
    1968 年 21 巻 5 号 p. 257-259
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Methyl-dichlorophenyl-isoxazolyl penicillin (MDI-PC)(Staphcillin A‘Banyu’) は, 従来の Methyl-chlorophenyl-isoxazolpenicillin (MCI-PC) に, さらに1つClをつけて新らしく合成された新合成ペニシリンで, 経口投与でも高い血中濃度が得られ, 少量投与でも充分な効果が期待され, Penicillinase 産生黄色ブドウ球菌に対しても強い抗菌力を示すとされている。われわれは今回, 癌を主とする皮膚科的感染症に本剤を使用し, 若干の成績を得たので, ここに報告する。
  • 吉岡 一, 松宮 英視, 林 浪子, 上田 京子, 奥平 紀子
    1968 年 21 巻 5 号 p. 260-266
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    尿の細菌検査は, 臨床医にとつて重要な検査項目である。尿路感染症の臨床的意義についてはいうに及ばず, 菌交代現象の監視などのためにも, 欠くことができない。しかし, 成績の評価を正しくおとなうためには, 尿から通常分離される細菌の種類や数について充分な認識をもつ必要がある。
    この方面については当然, 泌尿器科学の分野からの業績が多いが, 私どもは検査の立場から, 日常の手技によつてえた成績をもとに検討を加えてみた。
  • 小沢 敦
    1968 年 21 巻 5 号 p. 267-273
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    各種臨床材料 (喀疾, 膿, 咽頭粘液, 胆汁, 尿) から分離された各種グラム陰性桿菌のDemethylchlortetracycline (Ledermycin) 耐性菌出現状況を検討すると共に, 多剤耐性.(4剤以上) グラム陰性桿菌にたいするDemethylchlortetracyclineの効果について考察を加えたので, それらの結果について報告したいと思う。
  • 松崎 明紀
    1968 年 21 巻 5 号 p. 274-283
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ペニシリン誘導体については, 今日までに多くの研究がなされ, 種々の誘導体が開発されている。 Dicloxacillin (BLP-1011, Staphcillin A ‘Banyu’) は, Oxacillin (Methylphenylisoxazolyl penicillin, MPI-PC), Cloxacillin (Methylchlorophenylisoxazolyl penicillin, MCI-PC) と同群のペニシリン誘導体で, Phenyl基の2, 6位にC1が入つた3-(2, 6-Dichlorophenyl)-5-methyl-4-isoxazolyl penicillin sodium monohydrate (MDI-PC) で, MPI-PC 等とくらべ胃腸からの吸収がよく, 酸による分解が少い, ペニシリン耐性のブドウ球菌に有効な合成ベニシリンとして, アメリカBristol社によつて開発されたものである。
    今回著者等は, MDI-PCの毒性, 薬理作用, 吸収・排泄に関する基礎的研究をおこない, 以下に述べる知見を得た。
  • 松崎 明紀
    1968 年 21 巻 5 号 p. 284-310
    発行日: 1968/10/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Dicloxacillin (Staphcillin A‘Banyu’; BLP-1011) は, Oxacillin (Methylphenylisoxazolyl penicillin, MPI-PCと略), Cloxacillin (Methylchlorophenylisoxazolyl penicillin, MCI-PCと略) 関連のPenicillinで, Methyldichlorophenylisoxazolyl penicillin monohydrate Na塩 (MDI-PCと略) である。
    MDI-PCは, MPI-PCおよびMCI-PCとくらべ, 酸による分解が少く, 胃腸からの吸収がすぐれ, Penicillin耐性ブドウ球菌にも有効である。 MDI-PCの急性毒性と一般薬理作用については, 前報に記述した。 ここでは, MDIPCのラットおよび犬に経口投与したぱあいの慢性毒性と, 妊娠マウスおよびラットに経口投与したばあいの胎仔に及ぼす影響について報告する。
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