The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
Print ISSN : 0368-2781
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Adriamycinに関する研究
実験腫瘍に対する効果について
北浦 晧三渡辺 善博石原 由紀子高平 汎志
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1972 年 25 巻 2 号 p. 65-71

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抄録
ADMについて実験腫瘍に対する抗腫瘍性を検討した。
1. ADMは, 腹腔内投与で移植24時間目の腹水型のEHBLICH ascites carcinoma. Sarcoma-180, Hepatoma MH-134, Lymphoma 6C3HED・OG, Leukemia L-1210およびYOSHIDA sarcomaに対して強い抗腫瘍効果を示し, EHRLICH ascites carcinomaに対しては, 対照薬剤のMM-Cとほぼ同程度か, 僅かに優る効果を, DMおよびEXよりは優る効果を示した。しかし, 腹腔内投与以外の経路では, 抗腫瘍効果を示さない成績であった。一方, Leukemia L-1210に対しては, 対照薬剤のEXには劣るが, DMおよびMM-Cよりは優る抗腫瘍効果を示した。
2. ADMは, 結節型のSarcoma-180に対して良好な抗腫瘍効果を示すが, YOSHIDA sarcomaに対しては僅かに抗腫瘍効果を示す成績であつた。
3. ADMは, Lymphoma 6C3HED・OG, Hepatoma MH-134およびLeukemia L-1210腫瘍細胞の生体内での増殖を著明に抑制する成績であつた。
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