2016 年 58 巻 12 号 p. 2412-2417
症例は40歳男性.1カ月前から,食後の嘔吐が出現し改善しないため当科を紹介受診.上部消化管内視鏡で,十二指腸の上十二指腸角に全周性の狭窄を認めたが同部の生検では悪性細胞は証明されず,原因不明のまま他院にて腹腔鏡下胃空腸バイパス術を受けて経過観察としていた.術後3カ月目の内視鏡時に施行した生検で印環細胞癌を認めたため,びまん浸潤型の原発性十二指腸癌と診断した.原因不明の十二指腸狭窄の診療にあたっては,びまん浸潤型を呈する原発性十二指腸癌の存在を念頭におき頻回に生検を試みることやボーリング生検を行うなどして,より多くの組織を採取することが早期診断に繋げるために必要だと思われた.