The Japanese Journal of Antibiotics
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尿路感染症に対する注射用Ampicillin(Viccillin‘Meiji’) 静脈内投与の臨床経験
山中 雅夫
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1972 年 25 巻 3 号 p. 157-162

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抄録

泌尿器科領域において尿路感染症の占める比率はきわめて大きく, したがつてその対策ははなはだ重要である。ことに尿路疾患に対する手術または経尿道的操作, カテーテル留置などに伴なう2次性尿路感染症では, グラム陰性桿菌感染が主体をなし, 混合感染も少なくなく, したがつてグラム陽性菌, 陰性菌に広範な抗菌スペクトラムをもち,高度の殺菌的抗菌力を示し, 尿中排泄率の高いAmpicillin (AB-PC) の尿路感染症治療面における役割はきわめて大きい。
AB-PCは, 一般に経口的または筋肉内注射によつて投与されており, すでに多数の臨床報告がなされている。しかし, 日常の臨床使用にさいしては, より以上の速効性と高い血中濃度の要求されるばあいもあり, このようなばあい, 静脈内投与の必要性が痛感される。今回私は, 2次性尿路感染症症例にAB-PC製剤である注射用Ampicillin-Na (Viccillin‘Meiji’) の静脈内投与を試み, その副作用などについて2, 3の臨床的検討をおこなつたので報告する。

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