1972 年 25 巻 3 号 p. 169-174
Streptomyces lincolnensisの産生するLincomycin (MASONら) の誘導体であるClindamycin (7-Chlorolincomycin)(MASON) は, 広い抗菌スペクトルと強い抗菌作用をもつことが知られ (GRADYら, 小酒井ら), 広く臨床応用されているが (清水ら, 西村ら, 谷奥ら, 五島ら), その中枢作用については, われわれがさきに報告した (田辺ら)。
今回Clindamycinの新しい誘導体であるClindamycin-2-phosphateおよびClindamycin-2-palmitate hydrochlorideを入手する機会を得たので, その各種中枢作用について詳細な検討をおこなつた。