The Japanese Journal of Antibiotics
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尿路感染症におけるリビドマイシンの使用経験
時任 高洋重松 俊江藤 耕作
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1972 年 25 巻 6 号 p. 432-435

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抄録

最近の化学療法における重要な問題点の1つに耐性菌感染に対する治療がある。薬剤間の複合剤, 酵素剤併用等の研究も, 種々おこなわれているが, なかなか満足すべきものは得られていない。蓄積することなく, 副作用もなく, 高い病巣濃度を得られる薬剤が得られれば, その利用が特定臓器の感染症に限られたものであつても.その臨床的意義, 効果は非常に大きいものと思われる。
今回, 興和株式会社から提供されたアミノ配糖体抗生物質であるリビドマイシンを使用する機会を得たので, その臨床実験成績について報告する。
リビドマイシンは, Streptomyces lividusの培養液から単離されたアミノ配糖体抗生物質である。塩基性, 水溶性で, 分解点197~203℃ の自色無晶形粉末で, C29H55N5O18, 分子量761.784である。構造はアミノ配糖体抗生物質としては初めて明らかにされたPentasaccharideで, 末端の2-Amino-2, 3-dideoxy-D-glucoseは天然から初めて見い出されたアミノ糖で, 構造式は上記のとおりである。

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