The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域でのClindamycin-2-palmitateの臨床研究
加藤 宏岩井 直一
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1973 年 26 巻 4 号 p. 356-360

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抄録

Clindamycinは, アップジョンからダラシンカプセルとして商品化され, 次第に広く使用されつつあるが, 今回Clindamycin-2-palmitateが試作された。それはClindamycinそのままでは小児の内服には適当でないことが, 日本化学療法学会で小児科医から指摘され, パルミチン酸を結合させることで小児用内服剤として使用されるよう試みられたわけである。
母子化学療法研究会を中心にして, 3回にわたつてClindamycin-2-palmitate (以下CLDM-palm. と略す) について討論があり, 我々もその研究に参加したので, その結果を報告する。
Clindamycin (以下CLDM) での研究で, すでにこの抗生物質が主としてグラム陽性球菌に対して効果があることを知つているので, 我々は上気道感染にCLDM-palm.を使用してみようと考えた。しかし, 上気道感染はウイルスによるものが多く, また, 咽頭や疾から検出された菌がその疾患の起因菌であることを証明することは難しい。そこで, 検出された菌が起因菌に比較的近いであろうと考えられる化膿性扁桃炎を中心にして検討しようと考えた。

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