1974 年 27 巻 2 号 p. 189-192
新アミノ配糖体抗生物質Amikacin (BB-K8) は, Kanamycin Aの構成分である2-Deoxystreptamine部分のC-1アミノ基を, L (-)-γ-Amino-α-hydroxybutyric acid (L-HABA) でアシル化した抗生剤である。各種アミノ配糖体抗生物質の耐性機構の1つには, 薬剤の不活化が知られているが, L-HABAをもつAmikacinはこれら不活化酵素に対して抵抗性を示し耐性菌に有効である1, 2) 。そこで今回私どもは, 数多くの病巣分離株における本薬剤の抗菌力試験および病巣から得られたGentamicin耐性およびKanamycin耐性株について本物質の抗菌試験をおこない, 他のアミノ配糖体抗生物質との比較を試みたので, ここに報告する。